はじめに
品質保証部の年度計画を、前年度のコピー+日付差し替えで済ませている企業は意外と多くあります。ISO9001 6.2「品質目標」、ISO9001 9.3「マネジメントレビュー」の要求からすると、年度計画は経営層に承認された明確な意図のもとに作る必要があります。本コラムでは、次年度計画を整える3つの観点を提示します。
観点1:「数値目標」と「教育計画」を必ず連動させる
年度計画でよく見る失敗は、品質目標と教育計画が別々の表になっていることです。「不良率0.5%以下」という品質目標があっても、それを達成するための人材育成計画が連動していなければ、計画は絵に描いた餅になります。
対策は、品質目標ごとに「達成のために必要な力量」と「その力量を獲得する教育施策」を1つの表に並べることです。例えば「不良率0.5%以下」→必要な力量「初期流動管理/不適合品処理/是正処置」→教育施策「該当コース受講+OJT+月次レビュー」のように、目標→力量→教育の3段で展開します。
観点2:「短期×中期×長期」の3軸で投資配分を決める
年度計画は、目先の問題対応に追われて短期施策ばかりになりがちです。中期(3年)の人材育成、長期(5年)の品質文化醸成への投資が抜けると、3年後の品質保証部が今と変わらない、という結果に繋がります。
対策は、年間予算を短期:中期:長期=60:30:10で配分する目安を持つことです。短期は当年度のクレーム対応・監査対応、中期は次世代リーダー育成・新規教材整備、長期は品質文化(提案制度/改善活動/表彰制度)への投資です。配分比率は業種によって調整しますが、長期0%は危険シグナルです。
観点3:「実施→評価→改善」のサイクルを月次で回す
年度計画を作ってから次の見直しが翌年度末、という運用では、PDCA は1年に1回しか回りません。これでは年度途中の環境変化(人員異動・新規取引・顧客クレーム傾向変化)に対応できず、年度末に「計画と実績の乖離が大きい」という結果になります。
対策は、月次の品質会議で計画進捗を5分間レビューする仕組みを作ることです。各施策を「予定通り/遅延/前倒し/中止」の4区分で色分けし、遅延の原因と対策をその場で議論します。年度計画は「動的に更新される文書」として運用するのが、現代の品質マネジメントの基本です。
12月までに次年度計画を固めると、4月から走り出せます
年度計画の整備には、現状分析に1か月、目標と施策の起案に1か月、経営層調整に1か月の合計3か月を見込みます。12月までに次年度計画を固めれば、年度開始(4月)から教育施策・改善活動を即座に走り出せます。
品質カレッジでできること
品質カレッジは、年度計画策定段階から伴走サービスを提供しています。現状ヒアリング→必要力量整理→教育施策提案→年度計画書ドラフト作成→経営層提出支援の流れで、3か月以内に「経営承認可能な年度計画書」を仕上げます。
教育施策は品質カレッジ49コースから必要部分を選定し、追加で必要なテーマは契約後の整備相談にて対応します。年度計画書テンプレ(無料)は教育訓練記録キットに含まれており、契約前から自社用にカスタマイズしてご利用いただけます。
品質カレッジで「教育の仕組み化」を始める
品質カレッジは、49コース・確認テスト約11,400問を年33000円(税込/1ID)でご利用いただける、製造業向けの品質教育eラーニングです。視聴履歴・教育訓練記録・修了証発行までを1つのLMSで管理できます。